いとうせいこうさんの『虚勢訓練』

いとうせいこうさんの『虚勢訓練』を読みました。エロい短編集。つっても抜けるようなエロ本ではない。2つめの「Closet」。別れた女の残した服を着た女とセックスして、最終的には自分が着せられて攻められるのですが、最初バーコードハゲのいけてな親父を想像してしまったので、なんとも面白いことになってしまいました。もちろんそんな描写はありません。っていうか、向こうから誘ってきたんだからイケメンだろう。そうだろう。私が間違ってた。最初の2編が男性視点だったのですが、3つめ「シングル・オルガスムス」は子供ができなくて人工授精をする女性視点で、一体どんな気持ちで書いたのか気になりました。これが1番面白かったです。

エロい短編集は失礼な気がしてきました。性行為をテーマにした短編集。写真を撮ったり、ビデオで撮ったり、違う女の服を着たり、女に犯されたり、直接、男女が向き合うのではなく何か壁というか隔たりを持った性行為を描いている短編集である。である、とか書くと偉そうだな。じゃないかと思いました。