好きです
菊地勇生さんの『螺旋に回転する世界』の感想。
始まって小鳥遊司という人物が出てきます。この名前もあれなんじゃと思ってしまいました。しかし、それよりも小鳥遊さんの恋人が風呂から上がって全裸で出てきます。男です。しょっぱなからホモー!
さて気を取り直して先を読みます。主人公憲二の元に死んだはずの恋人響子から電話がかかってきます。約半年前のパラレルワールドからの電話でした。響子は『コインロッカー連続バラバラ殺人事件』の被害者になっています。響子の世界ではあと1週間後。それまでに犯人を見つけようというストーリー。このあとは未来の憲二[冬]、過去の響子[夏]の章が交互に語られます。この設定は非常に素晴らしいと思います。くろけんさん辺りが書きそうです。
憲二の世界では名探偵が存在します。そこで出たセリフ。
「九十九十九は? 御手洗潔は? 木更津悠也は? この際、石動戯作でも、ルンババ12でもいいから。誰でもいいから頼めよっ!!」
何このラインナップ。もうめちゃくちゃ友達になりたい! いやなろうぜ!
他、会話に清涼院、舞城、佐藤が出てきます。友哉は「ともや」と誤植されていましたが。でもこの人ユヤタン絶対好きだよ! この小説、JDCシリーズのように事件の名前がところどころに出てきます。その中のひとつに「突き刺しジャック連続殺人事件」が*1! 普通は出ないよ、これ。
はっきりいって憲二の住む世界設定大好きです。もっとどうにかすればどうにかなったんじゃないだろうか。ドーピング探偵はJDCというより、舞城に近いです。特に解決した暗号(?)なんかは舞城だろそれ。
事件についてはそれなりに犯人が指摘され*2、幕をおろすのかとおもいきや、まだ続きが! いやこれ、全くもって惜しい。この続きの部分をもっときちんと書いたら賛否両論はあるだろうけれど、かなりの作品になったのではないだろうか。そしてラストはひどい。えー、それで終わるのかよー。後味悪。
結果、非常に読んでよかったと思います。他の作品が出るならノリノリで買います。はい。大好きです。私としては地雷として一味足りないですけれど、世間一般では立派に地雷と呼ばれる作品だと思います。地雷はとりあえず踏んでおきたいあなた。レッツトライ!
あと腐女子観点で申しますと、ドーピング探偵の小鳥遊さんが薬を飲んで、推理をしたあと失神するという設定でやおい本3冊はいけると思います。