ダンスタイムの電話

  • 見回したのが「数名」ということから、ダンスフロアとバーカウンターには着信音は聞こえない。
  • すなわち怪しいのは光葉と浦永。
  • 電話は浦永からで、アリバイのために偽証した。
  • 光葉は聞いたのではなく見ただけで、思い込みの証言をした。

電話に関しては犯人からじゃないという考えでもいい気がしますが、せっかくの浦永説なのでバーカウンターには聞こえない説を考えてみました。

中央にダンスフロア。その周りに8人がけのソファボックス席。奥にバーカウンター。全部で100席。ディスコサウンドに紛れてどこかのテーブルで携帯電話の着信音が鳴り響いた。着信音が鳴ったとき、見回したのは数名。60名近くの人たちが熱狂的に踊り続けている。

ラウンジの状況説明はだいたい上記の通り。着信音に気づいたのが「数名」だったら、ソファテーブル席の近くに人にしか聞こえないのではないかと考えました。

光葉の場合、運よく伊野部の近くで踊っていれば聞こえるとは思いますが、そんなに近くで踊っていたならば、榎田と輪島は見てるんじゃないでしょうか。ならば「近くに光葉がいた」と証言してもいいはずです。光葉も見ていれば自分のアリバイも強化されますし、自分が犯人でなければ仲間のアリバイは証言してもいいと思います。

浦永の場合、まず奥のバーカウンターまで聞こえるのかと。テーブル席とバーカウンターが近いということも考えられますが、それならやはり榎田と輪島が証言してもいいはずです。

ダンスフロア、バーカウンター両方の人間に聞こえたならば「数名」よりもっと多くの人が見回してもいいはず。よって、どちらかまたは両方が嘘をついていると考えました。

<ビバルディだったら>
また実は着信音が大きく、「多くの人が気付いたが自分の着信音じゃないので無視した」とも考えました。この場合、見回したのは容疑者たちで、曲が「ビバルディ」だったからと……。そうすると光葉は偽証ではなく本当のことを証言したことになるので問題なしと。

<実はソファテーブルじゃなかったら>
『ジャケットは椅子の背に掛けてあった』(P129)確かにソファは椅子でもいいけど。
『ソファの背もたれに身体を投げ出して』(P213)ちゃんとソファはソファの背もたれと表記されてる箇所もあります。

実は途中でバーカウンターに移動したんじゃないかと考えたんですが、『どこかのテーブルで鳴り響いた』なので、バーカウンターはテーブルかっちゅーとそれは微妙ですが、カウンターテーブルとも言いますしね。これだと解決編がやりやすいなと。


ミック「ところで伊野部が電話を受けた場所はどこですか?」
榎田「あれ、言いませんでしたっけ? バーカウンターですよ」
光葉「ええ、3人が一緒に飲んでるのが見えたからそっちが気になって」
浦永「!」

ミック「そうですか。光葉さんはダンスフロアにいたんですよね。バーカウンターからはちょっと離れていますが、本当に着信音が聞こえたんですか?」
光葉「ええと……そう言われると。伊野部さんが電話でしゃべってるのが見えたらからビバルディだと……」
ミック「そうですか。では浦永さん。あなたも伊野部が電話に出ているところを見たと証言されましたね。どこででしたか?」
浦永「_| ̄|○