クロスレビューリレー:読書

『コズミック 世紀末探偵神話』清涼院流水
http://d.hatena.ne.jp/yasano/20040120#p3

さて今回クロスレビューなので「レビュー」を書く訳ですけれどもレビューというのは日本語にすると書評な訳ですよ。批評しなくてはいけない。これは大変難しいです。

批評というのはやはり客観的に行われるべきであると思います。(大説風に言うと俯瞰流考)しかし現在の私は清涼院氏の大ファンであり、何を読んでも面白い状態なのです。もちろん私が面白く感じたならば、それは私にとっていい作品です。しかしそれをそのまま書いてはただの感想です。書評ではない。

そこで今回、改めて評価するために『コズミック』を読んでみました。

全然ダメでした!

あー面白かった。もうね、全部好きです。いや、本投げたり燃やしたりする人の気持ちもわかるんですよ。前半のダラダラと長く続く被害者達の話とかダメなんでしょう? これも私に言わせると一人一人色んな人生があって、それを想像できて素晴らしいになってしまうのです。作中作でのキャラの生い立ちやその後なんかを色々想像して楽しんで、事実がわかった後はそのキャラは本当はどんなこと考えて密室教に入ったのかなとか想像するのが楽しくてたまらないのです。

「さんざん、期待させといてオチがそれかよっ!」とツッコむ人の気持ちもよくわかります。しかしです。色んな意味であんな解決を想像してた人はいないと思います。想像したって「まさかねーはっはー」と常識的に考えて却下しますって普通。

結局、私が清涼院氏のこと好きなのは「想像を絶する」というところなのだと思います。いくらなんでも、もうこれ以上すごくはならないだろうという予想を遥かに上回ってくれる流水師が大好きです。